Ultimate Spider-Man

タイトル

Ultimate Spider-Man

メーカー(公式サイト)

Activision

ジャンル

アクション

発売日

2005/09/22

フォーマット

PlayStation 2(US)




※若干ネタバレアリ

『アルティメット・スパイダーマン』を題材としたゲームは様々なプラットフォームで発売されているが、
今回紹介するのはPS2(北米)版。なお、X-BOX版とPC版も同内容(だと思う)

その名の通り、超人気アメコミヒーロー・スパイダーマンが主役の3Dアクションゲーム。
一言で言い表すなら「登場人物が超人で街が割と平和なGTA」って所だろうか。
トゥーンシェーディングが施された街並みはリアル志向のGTAとはまた違った魅力があり、
エリアもニューヨーク一帯が(多少アレンジされて)丸ごと入ってるので結構広い。
といってもすごいスピードで動き回れるのであまり広く感じなかったりするが、
その分テンポが良くて快適ではある。
アメコミを意識したイベント演出もまるで「飛び出す絵本」のようで面白い。
それと、この作品に限らずスパイダーマンのアクションゲーム全てに云える事でもあるが、
とにかくスパイダーウェブを駆使して摩天楼の合間をビュンビュン飛び回るのがすごく気持ちいい。
冗談抜きで夢に出るぐらい爽快。
そしてこのゲーム最大の目玉もまさにそこ、
忠実に再現されたニューヨークの街を自由に飛び回るという部分にあるのは間違いないだろう。

プレイヤーキャラはスパイダーマンと、そのライバルであるヴェノム。
基本はスパイディで要所要所のミッションでヴェノムも使う事になるというシステム。
(ただしストーリークリアするとヴェノムも通常使用可能になる)
二段ジャンプが可能でスパイダーセンスによって敵の攻撃を察知できるスパイディに較べて
動きにクセがありスパイダーセンスを持ってない(設定では持ってたような…)ヴェノムは敵の攻撃を喰らいやすいが、
代わりに「雑魚敵やそこらへん逃げ回ってる市民を吸収してライフ回復できる」というステキシステムを搭載している。
女子供だろうがお構いなしに喰らいまくるその姿は、ある意味GTAより残酷な気がした。(殺してはいないのだが)
その上ヴェノムは物(人間含む)を掴んで投げ飛ばすという荒業も持っている。
街で市民を手当たり次第喰ったり車を投げまくったりしてると「これGTA?」と思わず錯覚しそうになる。
大暴れしすぎると警察が飛んできて銃撃してくるところなんて「まんま」だ。
しかしサツの湧き方はGTA以上にインチキで、どこへ逃げても突然近くに(しかも無限に)湧く卑怯な仕様。
一方、スパイディは市民を攻撃する事は出来ず、物も投げれない。ま、ヒーローだしね。
その代わりチンピラ退治したりビルから落ちそうになってる市民助けたりするプチミッションが定期的に発生する。

難易度はクリアするだけなら全体的に控えめ。
簡単すぎるという程でもないが、巧い人なら一度もゲームオーバーにならずに最後まで行けるかも、というレベル。
ボスの攻撃が単調なのでパターンを読むのは容易い。
正直なところ、ボスバトルよりもその前に行われる、
一定以上引き離されたら負けの「追いかけっこ」の方が難しかったりする。
とはいえ、ミッション中ゲームオーバーになっても少し手前からやり直せるのでストレスはない。
これを「ヌルい」と感じる人もいるかも知れないけど、ゲームのコンセプトとしては正しいと思う。
とにかくひたすら爽快感を重視して遊びやすいゲームに仕上がっている。

と、褒めちぎるのはこのぐらいにして、以下不満点。
一番気になるのはボリューム面。
自分の場合はさほど急がず6時間ちょいでエンディングに辿り着いた。
これはアクションゲームとしては普通ながら、箱庭ゲームとしては短い部類。
でも本筋のストーリーに関してはそれぐらいでちょうど良いかな、とも思う。
長すぎてもダレるし。
ただ残念なのは、本編以外のサブミッションのバリエーションの少なさ。
「ミッション」といえるレベルのものが隠しアイテム探しとタイムアタックレース、
それとチンピラ退治しかないのでちょっと物足りない。
しかも数だけはやたら多いので同じような事の繰り返しでだんだんめんどくさくなってくる。
これが最大かつ唯一の致命的な不満かな。
次回作がもしあるなら改善して欲しい。

あとは簡単操作である分アクション面がやや単調(大味)だったり、
結局メインミッションは専用のエリアで行われる事が多くて
あまりシームレス感がなかったりするのも不満ではあるが、マイナスポイントと云うほどでもない。
あ、でも町外れの物凄い中途半端な所に進入禁止の「見えない壁」があるのはマイナスポイントかも。
どこで区切られてるのかわかりにくい(建物の南半分だけ入れなかったり)からイライラするし、
ただでさえ見えない壁は萎える原因になるのでさりげなくやって欲しい。

総括すると、箱庭アクションが好きでアメコミに抵抗がなければ買い。
「アメコミなんかリュウやケンと殴り合ってたやつらしか知らん」レベルの人でも多分楽しめる。
ただちょっとボリューム不足の感があるので、GTAのように長く長く楽しめる作品は期待しない事が幸せの秘訣。
難易度低めで操作も簡単なのであんまりゲーム得意でない人にもオススメできる。
なお、インターフェースがかなりの親切設計なのでゲーム進めるだけなら英語力は別に必要ない。
もちろん細かい台詞の内容とかを知りたいなら別だけど。

あとひとつ注意。
公式サイトではウルヴァリンとファンタスティック・フォーの燃える男ヒューマン・トーチが
さもメインキャラのような扱いで載ってるけど、
実際は「チョイ役中のチョイ役」で、ストーリーには全く絡まないので注意されたし。
まあ、悪く言うと客寄せパンダですな。
ウルヴィはともかくヒューマン・トーチはスパイディの親友なんだから正直もうちょっと活躍させて欲しかった。
ちなみにちょっとネタバレすると、
ウルヴィは序盤のチュートリアルみたいなミッションでヴェノムにボコボコにされるだけの役。
(´・ω・)カワイソス

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