ウィザードリィXTH

タイトル

ウィザードリィ エクス 〜前線の学府〜

メーカー(公式サイト)

マイケルソフト

ジャンル

3Dダンジョン探索RPG

発売日

2005/02/24

フォーマット

PlayStation 2

初めに言っておくと、あんまり良い出来のゲームとは言いがたい。
限りなく駄作に近い凡作。
クソゲー呼ばわりする人がいてもおかしくないし、否定もしきれない。
不満思いつくまま書いてみると…

・公式の謳い文句詐欺すぎ!
これが一番気になった。
謳い文句ってのは公式サイトのここにも書いてある

>迷宮マップは全86フロア。ランダム生成でパターンは無限。
>自動生成システムの導入で、10,000パターン以上のモンスターが登場。
>合成システムにより、アイテムは約20,000パターンに。
>キャラクターメイキング時に選べるフェイスパターン35,000種以上。
>入手した装備のアイテムグラフィックを楽しむ着せ替えシステム導入。
>最大36体のモンスターが画面いっぱいに展開する迫力の戦闘システム。
>迷宮の支配率を敵と競うコンクエスト要素。

これの事。

>迷宮マップは全86フロア。ランダム生成でパターンは無限。
この書き方だと「シレン」みたいなシステムだと思えるけど、
実際には「フロアがランダムで配置される」というシステム。
要するに、以前「ダンジョンAの1F」だったフロアが「ダンジョンBの3F」になってたりという事。
まあ、確かに「ランダム生成」には違いないんだが…。
はっきり言って何度も何度も同じマップ通らされて鬱陶しいだけで全然面白くない。
素直に固定マップにすべきだったと思う。

>自動生成システムの導入で、10,000パターン以上のモンスターが登場。
上のフロアに関する事はただ「まぎらわしい」ってだけなのでセーフだとしても、これは酷い。
実際には28種類のモンスターしかいない。(ボス数体除く)
それが7属性に分かれて28x7で196種類。
そしてそれを更にレベルに分けて10000パターンと謳っている。
属性違いを「異種」にカウントするのはギリギリわかるとしても、
レベル違いを異種とするのはいかがなものか。
ていうか28種類ってファミコンのゲームじゃないんだからさあ。
FFXIの方がまだマシだ。

>合成システムにより、アイテムは約20,000パターンに。
これもモンスターの項と同じで属性で分けてる。(強化レベルもかな)
まあアイテム数はそれほど少なくは感じないので、別に良いといえば良いが。

>キャラクターメイキング時に選べるフェイスパターン35,000種以上。
何度も書きたくないが、これも実際には使いまわしばかりで殆どパターンがない。
1PTなら問題ないが、2PT以上作ろうとするとまず顔が被る。

>入手した装備のアイテムグラフィックを楽しむ着せ替えシステム導入。
これは別に嘘ではないが、着せ替えのポリゴンがあまりにもショボイのはいかがなものか。
のっぺらぼうだし、同じ種族・性別だとみんな同じ顔だし。
着せ替えてて全然楽しくないッス。
いっそなくすか、どうせならもっと気合入れて欲しかった。

>最大36体のモンスターが画面いっぱいに展開する迫力の戦闘システム。
これは数字自体は嘘ではない(36体も出現した事はないが)
問題は「迫力の戦闘システム」って部分。
「エクス」が迫力の戦闘システムだったら、現在一般的なRPGの戦闘なんてビッグバン級のド迫力だよ。
ま、シンプルな分テンポは良いんだけどね。

>迷宮の支配率を敵と競うコンクエスト要素。
思うに、もしかしてエクスってFFXI意識してたりするのかな。
このコンクエといい分解合成といい、システムとしては結構似ている。(あと敵種類の少なさ)
でもFFXIのコンクエとは違って別に普段の戦闘内容が支配率に反映されるわけではなく
エリアの中継地点にキャラ置いておくと支配率が上がって一部のフロアで敵が出にくくなるというシステム。
しかし育成の大変なWizでわざわざコンクエ用のキャラを育てる価値があるかというと、微妙。
意味が出てくるのはかなり後半だし。(敵に支配されまくって一歩歩く毎に敵出たりするから)
それ以前に別に無くてもなんら問題ないようなシステムだと思う。
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公式の謳い文句への突っ込みで粗方の不満書ききってしまった気もするが、まあいいか。
他にもインターフェースが微妙に使いにくかったり、エリアの移動がえらい面倒だったり(とくに後半)
Wizなのにレベル上限が99だったりといった細かい不満も色々ある。

不満ばっかり書いて終わるのもどうかと思うので、良かった部分も挙げてみる。
というか良かった部分は「Wizらしさが健在。」というこの一言に尽きるんだけどね。
言い方悪いが、腐ってもウィザードリィって事か。
だからハマったし、中毒性もある。
なので昔からのWizフリークなら間違いなく「そこそこ」は楽しめると思われる。
あとこれを良かった点に挙げるのは変もしれないけど、「不満点がどれも致命的ではない」ってのも。
おかげでギリギリの域で駄作にならずに済んでいる。(個人的には)
上で書き並べた不満も「謳い文句が大袈裟過ぎる」ってだけで、
大いに不満かといえばそうでもないんだよね。
流石にモンスターの少なさはあんまりだけど、雑魚なんて結局「ただの記号」に落ち着くから
バリエーションなくてもだんだん気にならなくなってくる。
インターフェースも極端に悪くはないし、ほんと奇跡的なまでに致命傷を避けているゲームだ。
でもそれだけに惜しいんだよね。
もっと煮詰めれば間違いなく良作に化けただろうってのがプレイしててひしひしと感じられるから。
これがマイケルクオリティーって事なのはわかるけどさ。
次回作がもし出るなら少しは改善して欲しいトコロだ。

結論を言うと、面白くはないが極端につまらなくもない中毒性のあるゲーム。
Wizフリーク、もしくはチマチマした作業にこの上ない悦びを感じる人にはオススメ。
あとグラフィックのショボさが気にならない、そんなの脳内補完するぜ!って人にも。
しかし今の時代わざわざこのゲームをチョイスする必要があるかというと、
「別にない」と言わざるを得ない。そんなゲームです。
ベスト版でたら買っても良いかもね。

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